細部で分かる、縫製の違い
こんにちは、京都きもの工房です。
服や小物を手に取ったとき、その品質を見極めるポイントはどこでしょうか?生地の質感、デザインの美しさ…もちろんそれらも重要ですが、本当に「良いもの」かどうかは、目立たない細部の縫製にこそ現れます。
丁寧な仕事は、その製品の「良し悪し」を決定づけます。
今日は、そんな縫製の違いが最もわかりやすく出る、「角の始末(かどのしまつ)」についてお話しします。
2つの異なる「角の始末」を比較
まずは、この画像をご覧ください。

ベージュの生地と黒い生地の角が写っていますが、この2つ、実は全く異なる技術で作られています。
ベージュの着物の赤い矢印が指す部分と、黒い着物の青い矢印が指す部分。それぞれの角の表情に注目してください。
あなたは、どちらがより「良い仕立」だと思いますか?
赤い矢印:「重ね折り」
まず、下のベージュの生地(赤い矢印)から見ていきましょう。
これは、生地の端を三つ折り(または二つ折り)にして、そのまま直角に折り重ねる方法です。ハンドメイドの初心者や、コストと手間を削減したい量産品で見られる、簡易的な手法です。
特徴
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手間がかからない: シンプルな工程で、早く縫うことができます。
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厚みが出る: 角の頂点に生地の折り目が集中するため、どうしても厚みが出てしまいます。
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見た目: 角が少し丸みを帯びたり、ごわついたりして、シャープさが欠けがちです。
機能的には問題ありませんが、「美しさ」の観点では、改善の余地があると言えます。
青い矢印:ハイレベルな「額縁仕立て」
一方、上の黒い生地(青い矢印)はどうでしょうか。
こちらは、ただ重ねて折るのではなく、生地を45度の角度で裁断し、縫い合わせることで完璧な直角を作る技法です。これは「額縁仕立て」や「斜め継ぎ」と呼ばれ、美しく仕立て上がります。
特徴
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手間と技術: 正確な裁断と、正確な縫い合わせが必要です。
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厚みが分散される: 角の頂点に生地が重ならないよう工夫されているため、厚みが均一になります。
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見た目: 角が非常にシャープで、美しい直角を描きます。表面も平坦でスッキリとしており、高級感があります。
この始末がされているだけで、その製品が「手間暇をかけて作られた、こだわりの品」であることが一目でわかります。
こちらがこだわりのハンドメイド作品で見られる、「プロの仕事」です。
まとめ:縫製の違いはここに出る
2つの角を比較すると、その差は一目瞭然です。
赤い矢印は「機能を満たすための始末」であり、青い矢印は「機能と美しさを両立させるための始末」です。
この細部へのこだわりこそが、製品の「格」であり、作り手の「心遣い」です。
皆さんも、次に着物を手に取る際は、ぜひこの「角の始末」に注目してみてください。そこには、言葉では語られない、真の品質が隠れているかもしれません。
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