絹の情勢

現在、糸を生産している地域は主に中国、ブラジルが中心で、一部日本が有ります。

生産の、比較的廉価のほとんどの物は中国の、浙江省、広西省でしたが、
桑などの農作物が、蚕に食べさせ糸にするという現金化に時間がかかる事よりも
野菜などすぐ現金収入できるものに置き換わってきており、
又、中国の国策でそれらが電子部品などの工場に置き換わり
昆明など、西部・南部などに置き換わって来ています。

その上、工場を移転しても移転先で賃上げがあったり技術的に追いつかない、
高温高湿などで品質的にも良い物が取れにくく、
為替の問題が加わって価格に影響しています。
(良質の糸が取れる条件は気温26から28度、湿度60から70%での安定下)
(中国での女工さんの給料は10年前では約3千円だったが、現在約6万5千円に)

その中で日本向けの製品は5A、6Aという高品質でその事でプレミアが付き
さらに価格上昇の要素が加わっています。
(他の地域向けでは1Aから2A)

最近、絹の商品が価格が上がってきている理由は上記の事が挙げられます。

次にブラジルですが、これは和装では浜ちりめんなど比較的上級もので使われていて、
日本の様な暑い時期と寒い時期という、気温の変化が少ないので
糸が蚕から安定して吐き出されるため品質の良い物になります。
(細い部分があると織の時に切れて結びつけるため節糸=難物になりやすく、染めた時、色ムラも出易い)

日本での生産はほとんどありませんが、
一部、中国の製品の価格高騰によって差が少なくなってきている物に
ついては、「国産」というネームバリューもあり日本に戻ってきている物もあります。
ただし、現状、中国やブラジルに比べて価格が高いです。
(中国:約8000円/キロ ブラジル:約10,000円/キロ 日本:約18,000円/キロ
・・・2014年5月14日現在)

今後、月に1度くらいの頻度で絹の情勢を書いていきます。

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